うそつきペン
ツグミの顔を見てしまうと泣いてしまいそうだったから。


「今日は一緒に食べようよ?」


ツグミは表情を柔らかくしてそう言った。


「もちろん」


本気で怒っているワケではないツグミにあたしはホッとしてほほ笑んだ。


2人で歩きながらあたしがリタイアした後の話を聞く。


あの後ツグミは春子たちのグループに追いついて、最後までずっと一緒に走っていたそうだ。


その間にあたしの話題も出たようで、ドキッとしてしまう。


「アユリはちょっと抜けてるけど、真面目で優しい子だって言っといた」
< 72 / 281 >

この作品をシェア

pagetop