うそつきペン
「なにそれ、母親みたい」


ツグミの言葉にあたしはそう言って笑う。


でも、そんなことを言うと言う事はツグミはクラス内でのあたしの立場を知っているのかもしれない。


薄々感じることがあって、あえて春子にそんなことを言ってくれただろう。


そう思うと胸が痛んだ。


友達にそんな心配をさせてしまうなんて、情けなかった。


「アユリ」


「なに?」


「なにかあったらちゃんと話してね?」
< 73 / 281 >

この作品をシェア

pagetop