うそつきペン
「春子が描いたんじゃないのって言った。優等生ぶって、本当は裏の顔があるんじゃないの?」


どうして夕子はそんなことを言うんだろう。


あたしは夕子の手を離して数歩後ずさりをした。


春子の顔は見る見る真っ赤に染まって行き「そんなワケなじゃん!」と、大声を張り上げた。


その声にクラス中が2人に注目してしまった。


「そんなに真っ赤になって否定して、犯人は自分だって言っているようなもんじゃない?」


夕子は調子に乗って続ける。


「あたしはこんなにクラスに貢献してるのに!」


「ただの偽善じゃん? 掃除の時に毎回アユリに目を付けて文句言って、それってクラスに貢献してるって言える?」
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