うそつきペン
夕子の言葉にあたしはビクリと身を震わせた。


ここであたしの名前が出されるなんて思っていなかった。


春子の視線が夕子からあたしへと向かう。


あたしはとっさに視線をそらせてしまっていた。


「あたしはクラスの輪を乱されるのが嫌なだけ」


春子の言葉が胸にチクリと突き刺さる。


「普段はアユリが輪を乱してるかもしれないけど、今回は春子じゃん」


夕子は負けじと言い返した。
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