うそつきペン
しかし、足は鉛のように重たくて動いてくれない。


男性はどんどん遠ざかって、人に紛れてあっという間に見えなくなってしまっていた。


今、写真撮られたよね?


もしかしてスカートの中?


考えれば考えるほど頭の中は真っ白になっていく。


誰か助けて。


誰か。


そう思っても声がでない。


やがて待っていた電車が到着し、あたしは流されるように電車内へと入って行ったのだった。
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