強制食料制度
一筋の光が見えた気がした。


「あぁ。海外で働いて、食品を送ってくれてるんだ。だから今のところ食料も大丈夫なんだよ」


その言葉にあたしはゴクリと唾を飲み込んでいた。


食料があるのなら、あたしが狙われる心配もない。


「あたしのことを食べたりしない?」


その質問に、和文はプッと噴き出した。


「人間を、しかもクラスメートを食べたりしない」


本当におかしそうに笑ってそう言う和文にあたしは安堵したのだった。
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