強制食料制度
「石を投げたって本当?」


和文にそう聞かれてあたしは頷いた。


「だけど故意に投げたワケじゃない。友達が噛まれそうになったから助けたの」


「へぇ」


和文は頷いてテレビニュースへ視線を戻した。


ニュース内ではまだまだあたしのことを取り上げている。


幼稚園の時かけっこをして遊んでいたら友達がこけたこと。


それを、あたしが友達の背中を押してこかせたと説明された。


小学校の参観日の時、問題が解けなくて困っていたクラスメートに答えを教えあげた。


それを、カンニングを補助したと説明された。


一体どこからそんな情報を仕入れたのかと、目を丸くしてしまうばかりだ。
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