強制食料制度
それをまざまざと見せつけられている。


「いや……いや……いや!」


どれだけ走っても後ろからの足音は消えない。


1人や2人じゃない。


大人数があたしを追いかけている。


少しでも歩調を緩めれば捕まってしまう。


止まる事は許されない。


けれど足はもつれてこけそうになってしまう。


誰かの手があたしの伸びて来るのが見えた。


もう……ダメだ……。
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