強制食料制度
☆☆☆

自分の知らないところで沢山の人が戦ってくれているのかもしれない。


そう思うと、あたしが屈することはできなかった。


ゴミ箱の中から新聞を取って法律に関する知識を深める。


公園の水を飲み、食べられそうな野草を千切って食べて、武器になりそうな木切れや石を集めた。


人気のない河川敷へと移動を開始したとき、何台ものパトカーが走って行くのが見えた。


パトカーが走って行った方角は和文の家がある方角だ。


一瞬、嫌な予感が胸をよぎる。


制服も凶器も、すべて置いて来てしまっている。


あたしが犯人だということはすぐにバレるだろう。
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