強制食料制度
☆☆☆

河川敷の草むらに段ボールをひき、あたしはそこに座った。


水が近いから寒さを強く感じるけれど、仕方がない。


ゴミ箱からひろってきた新聞を膝にかけてどうにか寒さを軽減させた。


耳を澄ませてみると、聞こえて来るのは川のせせらぎだった。


こんなことになっていなけれど、心地よく感じられる音色。


少し暖を取ったあたしは川へと近づいてみた。


比較的綺麗な水が流れているけれど、飲むことはできなさそうだ。


ジッと見つめていると、一瞬キラッと光る黒い影が見えた。


魚だ!


川魚をとることができればしばらく食料には困らないかもしれない。
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