強制食料制度
「でも、あたしたちには関係ないし」


あたしは口癖になってきた言葉を言った。


ニュースでターゲットの情報が流れる度に、他人事だと感じていた。


だって、あたしたちは毎日ご飯を食べる事ができている。


そりゃあ前よりも品数は減ったけれど、白いご飯があればお腹は膨れる。


人間を食べるなんて考えられないことだった。


「まぁな。人間を捕まえて食べようとは思わないよな」


俊和の意見にあたしはホッとしてほほ笑んだ。


ここ数か月、学校の食堂は機能しなくなっていた。


もちろん、確保できる食材がないからだ。
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