強制食料制度
あたしもそれに続いて階段を上がった。


念のために、靴も持って上がることにした。


「ここが俺の部屋」


通された部屋は15畳ほどありそうな広いフローリングで、ベッドやテーブルと言った家具のどれもが高級そうだった。


「さすが……量の部屋だね」


ぎこちなくそう言うと、良は左右に首を振った。


「この家具もどうせ売るんだ」


「そうなの?」


「あぁ。今までは多少高くても、買いだめできるだけの食料が出回ってたけど、今はもうない。金を全部食料につぎ込まないと生きていけない」


「そんな……」
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