強制食料制度
家人の声だろうか。


それは床の下から聞こえてきているようだった。


あたしは寝転んだ状態で床に耳をくっつけた。


さっきよりも鮮明な話し声が聞こえて来る。


「もう少し人員を減らさないと、会社はやって行けなさそうだ」


「仕方ないわよ。どれだけの大企業だって倒産してきてるんだし、うちも早めに撤退していかないと、家族ごと破滅してしまうかもしれないし」


これは良の両親の話し声だろうか。


やっぱり、どこの会社も厳しいみたいだ。


「良、食料はまだあるんだろ?」


「大丈夫。ちゃんとあるから」
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