強制食料制度
良が耳まで真っ赤になっていたシーンを何度も思い出して、自分を安心させようとする。


それに、良の家はお金持ちだ。


家具や家電を売れば、食料を買うこともできる。


きっとあたしの考えすぎだ。


そう思いながらも、あたしは窓に近づいて下を覗き込んでいた。


玄関から逃げることはできなさそうだから、逃げるとすればここから飛び降りるしかなさそうだ。


でも、屋敷だけあって普通の家の2階よりも高い。


飛び降りたら足を骨折してしまうかもしれない。


いや、骨折だけならまだいい。


下手な落ち方をしたら死んでしまうかもしれない。
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