強制食料制度
それが原因でお昼ご飯を抜くようになった生徒は少なくない。


家にいても食べる物がなく、お弁当を作ることもできないのだ。


「なんだよ、パン屋閉店したのか」


俊和がそう呟いて残念そうな表情を浮かべた。


見ると、いつもの香ばしいパンの香りが漂っているお店にはシャッターが下ろされ、《閉店しました》という張り紙が出されていた。


「いつの間に閉店したんだろうね」


お目当てのものが食べれないと知り、思わず落胆してしまう。


「最近閉店する店多いよな。この前は学校の近くのコンビニが閉店したし」


「そうだよね。閉店前に行ってみたけどほとんどの商品が無くなってたよ」


「食糧難が押し寄せて来てるってことなのかな」


俊和が呟く。
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