強制食料制度
河川敷へ向かう途中、パトカーが何台も追い越して行ったのを思い出す。


やっぱりあれは和文の家に向かっていたらしい。


「和文の遺体の近くに、唯香の制服があったって聞いて……」


そこまで言って俊和はあたしを見つめた。


あたしは咄嗟に目をそらせてしまう。


あたしが殺してしまったのは和文1人じゃない。


元子もだ。


「でも、それで次は良の家にいるんじゃないかってわかったんだ」


「え……?」


「和文も良も、資産家の息子だ。唯香が金持ちに居場所を提供してもらってるんだとすれば、次は良の家だ」


「あたし、そんなつもじゃなかった!」


「わかってる。なにか、ヒドイことをされたんだろ?」
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