強制食料制度
辛いのに立ち止まらない。


立ちどまれない。


そんな風潮が強すぎる。


それから沈黙の中学校へ到着すると、見知らぬ黒い車が数台止まっているのが見えた。


「誰の車だろうね?」


ピカピカに洗車された車に視線を送り、桃菜が言う。


「先生の車じゃないよね。黒い車ってなんか見てるだけで怖い」


あたしはそう返事をして、教室へと向かったのだった。
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