定期購読ドール
「そう言ってもらえると嬉しい」


そう返事をして、アケミはそっと指先で和明の手に触れてみた。


和明は戸惑いながらもアケミの手を握りしめる。


自分の体温が上昇していくのを互いに感じた。


「アケミって、彼氏いないよな?」


「うん、いないよ?」


和明の言葉は心地よい響きを持っていた。


あと少し、もう少しで和明は自分のものになる。


そんな自信が湧いてくる。


「よかったら俺と……」


そこで言葉を切った和明。


なに?


早く言って。
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