定期購読ドール
☆☆☆

「こちらの商品、定期購読されると5パーセントお安くなりますが、どうしますが?」


レジへ向かったふたりに、店員がそう声をかけた。


「定期購読ですか?」


本屋のシステムを知らないアケミは首をかしげている。


「毎号予約していただけると、割引になります」


店員がかみ砕いて説明する。


「へぇ、そんなのがあるんだ。毎週この書店に買いに来るってことですよね?」


千夏がアケミの隣からそう聞いた。


店員はにこやかに頷く。


「でもお金がない時は買いに来れないし」


アケミが言う。


「一か月間でしたら、店舗で保管できますが」
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