定期購読ドール
まだ涙の姿を探しているのかもしれない。


そんな和明に徐々に苛立ちを感じ始めた。


涙のことなんてとっくの前に忘れたはずだ。


涙がイジメられているのを見たって、助けなかったんだから。


アケミは和明の手をきつく握りしめ、その顔を見つめた。


「アケミ……俺の彼女にならないか?」


ようやく聞けたその言葉にアケミは満面の笑顔を浮かべて「もちろん」と、答えたのだった。
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