定期購読ドール
小首をかしげてそう訊ねるアケミに、ショートの先輩が舌打ちをした。


「わかってんだろ? 和明君のことだよ」


「わかんないなぁ~和明がどうかしたんですかぁ~?」


わざと語尾を伸ばして体をくねらせ、挑発するように言うアケミ。


「お前、バカにしてんのかよ!」


小柄な先輩がキレたところで、後方のドアが開いて和明が教室へ入って来た。


「あ、和明ぃ~!」


アケミはすぐさま両手を振って和明を呼んだ。


「げっ」


先輩たちの顔が一瞬にして青ざめる。


「なに? どうした?」


和明は先輩とアケミを交互に見ながら近づいてくる。
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