定期購読ドール
玄関から宅配業者の声が聞こえてきて、アケミの足音が近づいてくる。


そう言えば今日はドールが届く日だっけ。


ふと日付を思い出した。


「いつものやつ届いたよ」


ドアを開け、アケミが欠伸をしながらそう言った。


「今回は何が入ってるの?」


「たぶん顔じゃないかなぁ?」


そう言いながら、テーブルの上で雑誌を広げた。


「ねぇ、前回から雑誌の内容が同じだよね?」


アケミが数ページ読んで、そう言った。


「あぁ、そういえばそうだよね。もう雑誌は全然読んでないよ」


必要なのはドールのパーツだけだ。


雑誌なんて、あってもなくてもどっちでもよかった。
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