定期購読ドール
そう聞かれてアケミは左右に首を振った。


あれ以来、先輩たちはあたしの前に現れていなかった。


サッカー部の練習を見に行くこともなくなったようだ。


「違うよ。大丈夫」


アケミの悩みは、内田が来なくなったことでお金を奪う事ができなくなったことだった。


連絡をしてみても返事がないのでどうしようもない。


家まで押しかけてもいいけれど、内田の家はお屋敷のような場所だ。


内田がアケミたちに会いたくないと言えば、会わせてもらえないに決まっていた。


そうなればアケミが使えるお金は月5千円のお小遣いだけになる。


たった5千円じゃ1回のデート代で消えてしまう。


「悩みなら相談に乗るけど?」


黙り込んでしまったアケミに和明がそう声をかける。
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