定期購読ドール
☆☆☆

ようやく授業が終わり、ここからは楽しいデートの時間だった。


「うわ、すっげぇ甘い匂い」


商店街の一角にあるクレープの屋台へ立ち寄ると、和明はそう言って顔をしかめた。


「もしかして甘いもの嫌いだった?」


「いや、好き」


そう言って笑う和明。


周囲にはチョコレートや生クリームの香りが立ち込めていて、甘いものが好きでもつい顔をしかめてしまう。


「なに注文する?」


「俺フルーツが入ってないヤツ」


「フルーツは嫌いなの?」


「いや、生クリームを味わいたいだけ」


和明の言葉にアケミは笑った。
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