定期購読ドール
こうして他愛のない会話をしているだけで、和明の色々な顔を見ることができる。


それが嬉しかった。


ふたりでそれぞれクレープを買い、ベンチに座って口をつける。


「う~ん、美味しい! クレープなんて久しぶりに食べた!」


チョコレートクレープの味が口いっぱいに広がり、思わず笑顔になる。


「どれ? ひと口」


そう言って和明がアケミのクレープに口をつける。


「うん。チョコも美味いな。俺のイチゴも食べてみる?」


「いいの?」


自分のクレープを差し出してくる和明。


アケミは躊躇しながらイチゴクレープに口を付けた。


口の中でチョコとイチゴが混ざり合い、甘さを引き立てる。
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