定期購読ドール
そんなことを馬鹿正直に話す必要なんてないのに。


「あの子はどうせ学校も辞めるでしょ」


アケミは冷たい声でそう言った。


学校へ来ればまた壮絶なイジメが始まる。


そんな世界に、自分から戻ってくる子なんていない。


「……そうだよな……」


「そんなに涙のことが気になる?」


「少しだけ。でも、もう涙のことは忘れるから」


そう言い和明は切なげな表情で笑ってみせた。


けれど、そんな顔をされてもアケミの心は揺れなかった。
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