定期購読ドール
小さくそう言い、立ち止まる。


顔と体が離れた状態で、机の真ん中に置かれているドール。


しかも、ドールの顔はひび割れてそこから血のような赤い液体が流れ出しているのだ。


「なにこれ!」


悲鳴に似た声を上げて後ずさりをする。


「これ、アケミに届いたドールじゃないの?」


「似てるけど……でも、ドールは昨日捨てたもん!」


「え……?」


「捨てたのに、どうしてこんなところにあるの!?」


こんなことをするなんて、誰かのイヤガラセだとしか思えなかった。


アケミは教室後方へ走り、ゴミ箱を手にして戻って来た。
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