定期購読ドール
ドールの顔から流れ続けている液体に吐き気を感じる。


頭の中に赤い絵の具でも入れたのかもしれない。


こんなことをするなんて、悪質だ!


そう思いながらどうにかゴミ箱へと移動した。


机の上に流れた赤い液体を雑巾でふき取っても、まだ気持ち悪さは残っていた。


「もしかして、涙か内田が……?」


千夏の言葉にアケミはハッと息を飲んだ。


昨日、涙とバッタリ会ったことを思い出す。


だけど涙が憎んでいるのはカナの方だ。


だとしたら内田が?


内田に家を教えたことはないが、調べるくらい簡単にできるだろう。


「そういえば、今日は涙が学校に来てるらしいよ」


「え?」


千夏の言葉にアケミは目を見開いた。
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