定期購読ドール
☆☆☆

「なにすんの!」


放課後、涙を無理矢理体育館裏へと連れてきて、その体を突き飛ばした。


「今日もボロボロにやられてんじゃん」


倒れ込んだ涙を見下ろしてアケミは言った。


涙の制服は複数の生徒に踏みつけられてボロボロ、鞄の中には生ごみが詰め込まれていた。


放課後になるまでに、カナたちに随分とやられたのがわかった。


「あんたたちには関係ない……」


そう言い、睨み付けて来る涙。


昨日見た涙には生気がなかったが、今日は少し違うようだった。


なにかがあったからこそ、学校へ来る気にもなったんだろう。


「今日学校に来たのってなんで?」


千夏が涙に歩み寄ってそう聞いた。
< 147 / 316 >

この作品をシェア

pagetop