定期購読ドール
「なんでって……。B組の友達が……たった一人の友達が支えになってくれたから」


涙が強い口調でそう言った。


アケミと千夏は目を見かわせる。


涙イジメは1年全体に広がっているハズだ。


今さら涙を助ける生徒が出てくるなんて思えなかった。


やっぱり、涙はこドールをアケミの机に置くために登校してきたのだ。


「嘘ついてんじゃねぇよ!」


アケミは怒鳴り声をあげ、涙の背中を踏みつけた。


涙は痛みにうめき声をあげ、うずくまる。


「本当はこれを用意しに来たんだよね?」


千夏が、袋に入ったドールを涙へ突き付けてそう聞いた。
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