定期購読ドール
「そんな……じゃあドールを移動したのは誰だっていうの!?」


絶対に内田の仕業だと思っていた。


内田が仕返しをしているのだと思っていた。


『なんのことでしょう? 大丈夫ですか?』


そう聞いてくる女性を無視し、アケミは電話を切った。


犯人は涙でも内田でもない?


そんなことあるはずない!!


あの二人くらいしか身に覚えは……いや……待てよ?


犯人は中学時代の同級生かもしれない。


中学時代だって相当なイジメを行っていたアケミにとって、敵は数多くいた。


「これじゃ犯人を特定できない……」


ギリッと奥歯を噛みしめて、アケミはドールを睨み付けたのだった。
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