定期購読ドール
「そうかもしれないけど……。ドールを捨てたからって、なんで復讐の対象にされるの?」


『だからさ、元々これは復讐じゃなくて……ドール自身の仕業ってことだよ』


一瞬、千夏が何を言っているのかわからなかった。


ドール自身の仕業?


「千夏は、ドールは自分からあたしの元へ戻って来たって言いたいワケ?」


『まぁ、そうだよね』


千夏は言いにくそうに、肯定した。


アケミは呆れたため息を吐き出した。


千夏ならちゃんと考えてくれると思って相談したのに、どうやら間違いだったようだ。


「本気で言ってるの?」


『可能性の一つとして言ってるの。ためしにちゃんと組み立てて部屋に置いてみたらどう?』


「そんな……」


真っ赤に染まったドールを組み立てるなんて気持ちが悪い。


できればもう一度捨ててしまいたい。
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