定期購読ドール
いつもうるさいくらいのアケミと千夏が今日は大人しく、クラスメートたちも二人を気にしているのがわかった。


みんなの視線を感じながら教室を出て、早足で家へと向かう。


一刻も早く定期購読をやめたかった。


一旦家に戻って雑誌を取って来るのだってもどかしいくらいだったけれど、雑誌に書かれてるナンバーが必要なのだ。


そのナンバーと自分の名前を伝えなければ、定期購読は止められない。


なんでそんな面倒な事になっているのかと、舌打ちしたくなった。


「ここで待ってるから」


アケミの家の前で立ちどまり、千夏が言った。


「うん。すぐに戻って来るから」


アケミはそう言い、部屋へと急いだのだった。
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