定期購読ドール
☆☆☆

千夏の部屋にあるドールは、体に白い布がまかれていた。


やっぱり、全裸の状態で置いておくのが嫌だったんだろう。


「これが電話番号だね」


雑誌を確認して、千夏がそう言った。


アケミも同じように雑誌をめくってみると、後ろの方に会社の電話番号が記載されていた。


「じゃあかけてみるね」


千夏がそう言い、スマホに番号を打ち込んで行く。


すべて打ち込み終えて、耳にスマホを当てた。


しかし、相手側がなかなか電話にでないようで、反応を待っている。


「出ないんだけど……」


10回ほどコールをしてみたけれど、相手からの反応はなかった。


「今度はあたしが電話してみる」
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