定期購読ドール
運転席から男性ドライバーが出てきてトラックの後方へと移動して行く。


「あの、うちに荷物が届いてないですか?」


そう声をかけると、「あぁ、ちょうど運んできたところだよ」と、ニコヤかに言われた。


心臓がドクドクと跳ねているのを感じながら段ボール箱を受け取る。


千夏の家に届いたのと同じものだ。


「ありがとうございました」


威勢のいい声でそう言い、走り去るトラック、


アケミはしばらくその場から動くことができなかった。


ジッと段ボール箱を見つめているだけなのに、呼吸が荒くなっていく。


「アケミ……?」


後方から声をかけられて振り向くと、そこには千夏が立っていた。


「千夏……」


「ドール、持ってきなよ」


千夏にそう言われ、アケミは金縛りが解けたように動き出したのだった。
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