定期購読ドール
今日は電話が通じない日だけれど、もう止める気もなかった。


このドールをどうにかしたい。


その気持ちはアケミも同じだったからだ。


「ダメだ。やっぱり通じない」


3度ほど電話をかけた千夏が深いため息と共に、落胆してそう言った。


「そりゃそうだよ。だって今日は……」


途中まで言いかけた言葉を切る。


「どうかしたの?」


「今……ドールが……」


そう言い、アケミは床に置いているドールを指さした。


見間違いだろうか?


今ドールが瞬きをしたように見えたけれど……。
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