定期購読ドール
☆☆☆

翌日。


アケミはまだ夢の中にいた。


夢の中の世界は虹色で、自分と和明の二人しかいなかった。


邪魔者は誰もいない世界で、和明は自分のことだけを見てくれている。


とても幸せな夢だったが……夢の中で、途中から雨が降り始めたのだ。


虹色だった世界は灰色に変わり、アケミも和明もずぶ濡れになっていた。


頬に冷たさを感じてアケミは目を覚ましていた。


「なんなの……」


途中まで幸せな夢だったのに、雨なんか降りだして……。


そう思ってため息を吐き出す。
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