定期購読ドール
二人はすぐにカウンターへと移動した。


「あの、定期購読してた相原ですけど」


自分の名前を名乗ると、男性店員は迷惑そうな表情を浮かべてアケミを見つめた。


「雑誌はちゃんと置いてありますよ。毎号買いに来るって言ったじゃないですか」


そう文句を言いながら、店頭に並べられているのと同じ雑誌を持ってきたのだ。


「どういうことですか? この雑誌って、途中から家に届くようになりましたよね!?」


千夏がアケミの横からそう言った。


「はぁ? そんなの聞いてないですよ? 書店での定期購読はできても、自宅に届くようにはなってないと思いますが」
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