定期購読ドール
☆☆☆

三人が移動してきたのは学校の駐輪場だった。


あと1分ほどでホームルームが始まるので、ここには今誰もいなかった。


「あ、あたしに何の用事?」


内田が青ざめた顔で二人に問う。


「内田が『あたし』とか言うとキモイんだけど」


アケミはそう言って小さな声で笑った。


「本当だよね。見た目完全に男なんだけど、わかってる?」


千夏の言葉に内田はうつむく。


視界に入って来るのは三人分の靴だった。


どうして自分はこんなところまでついて来てしまったんだろうと悔やむが、断ればこの後どうなったかわからない。
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