定期購読ドール
アケミの力にはなりたいが、涙が来るかどうかまではわからないので困っている様子だ。


「涙の家を知ってる?」


「涙の家? 住所ならわかるけど……」


そう言いながら耕平をスマホを取り出して、いじりはじめた。


B組のクラスラインかなにかを見ているのだろう。


「住所で十分」


アケミがそう言うと、耕平はスマホを確認しながら涙の住所を読み上げた。


学校からそれほど遠くない場所だ。


「ありがとう。涙がもし学校に来たら連絡して」


アケミはそう言うと、B組を出たのだった。
< 202 / 316 >

この作品をシェア

pagetop