定期購読ドール
許さない
涙の家は学校から徒歩15分ほどの場所にあった。


内田の家ほどじゃないけれど一戸建ての大きな家だ。


アケミは躊躇なく涙の家に近づき、チャイムを鳴らした。


千夏はその様子を半歩下がって見ている。


「はい」


元気のない声と共に出て来たのは涙本人だった。


家の人がいないようで、玄関には涙のローファーがひとつだけだ。


それを確認したアケミはニヤリと笑い、強引に玄関へと入って行った。


千夏も慌ててそれに続く。


「ちょっと、なに?」
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