定期購読ドール
「ちょっとアケミ、まずいかもよ」


涙は本当に、なにも知らない様子だ。


ここでアケミがやってきたことがバレたらどうなるか……。


「うるさいな!」


アケミは千夏に聞く耳を持たなかった。


「嘘ついてたの?」


涙の声が怒りで震えている。


「そうだよ。あたしと和明は付き合ってなんかなかった」


アケミの言葉に涙が握り拳を作る。


「もしかして……あたしの噂を流したのも?」


「あたしたちだよ。だから復讐しようとしたんでしょ!?」


「そんなことするなんて信じられない……! あんたたちのせいで、あたしは……!」


涙が拳を振り上げた。
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