定期購読ドール
自分はもう二人に逆らうことができなくなってしまっているのだと、内田は感じた。


無言のままうつむいているとアケミがスカートのポケットに手を伸ばした来た。


「なにするの!?」


「うるさい。声出すなよ」


アケミが内田を睨み付け、スカートのポケットから二つ折りの財布を取り出した。


「へぇ、ブランドの財布なんだ。さっすがお嬢様」


千夏がニヤニヤとイヤラシイ笑顔を浮かべてそう言った。


「返して!」


大きな声でそう言って手を伸ばした瞬間、アケミの拳が腹部を直撃していた。


激痛が走り、立っていることもできない。


「しばらく大人しくしててよ」


アケミはそう言うと、財布を開いて中身を確認した。
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