定期購読ドール
笑った時の顔を思い出してみても、類似している顔の持ち主はいなかった。


「あたしたちの勘違いなのかな……」


千夏が写真を眺めながら言う。


「どうなんだろう? この顔の感じ、確かに誰かに似てる気がするんだけど……」


それとも、ドールは元々そういう作り方をしているのだろうか。


どこかで見たことのあるような顔を作ることで、親近感を沸かせるのか?


アケミは頭を振ってその考えをかき消した。


このドールは誰かが故意に送り付けているものなんだ。


きっとなにか理由があるにきまってる。
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