定期購読ドール
和明が必要に心配しているのは、アケミと良樹の関係についてだったのだ。


ようやく理解したアケミは呆れ顔を浮かべた。


同時に笑いが込み上げてくる。


「なにがおかしいんだよ」


いたって真剣だった和明は焦った表情を浮かべる。


「良樹は全然好みのタイプじゃないよ。和明とも違うタイプじゃん」


「そうだけど、俺もアケミの事はタイプじゃなかった」


しっかりとした口調でそう言われて、アケミは思わずムッとしてしまった。


確かに、涙とアケミは正反対のタイプだ。


「それでも俺はアケミのことを好きになった」


それはアケミが涙を突き落とし、自分を好きになるように仕向けたからだ。
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