定期購読ドール
その気持ちは千夏も同じだった。


できればドールはもう受け取りたくない。


でも……。


「受け取らなかったら、どうなるのかな?」


千夏の言葉に、枕元に戻ってきていたずぶ濡れのドールを思い出し、身震いをした。


もし、パーツを受け取らなかったら……?


もっと大変なことが起こるかもしれない。


本能的にそう感じた。


「荷物ですよ? 受け取ってもらえないですか?」


外からドライバーの困った声が聞こえて来る。


早く帰ってくれればいいのに……。


そう思いながらアケミはドアを睨み付けた。
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