定期購読ドール
☆☆☆

アケミと千夏は隣の空地へと移動してきていた。


今日届いた鼻をドールにつけ、それを乾いた落ち葉の上に乗せた。


残るパーツは耳だけになっていたが、それを待つつもりはなかった。


「本当にいいの?」


千夏がアケミに聞く。


アケミは手にライターを握りしめて頷いた。


「こんなドール、燃やしてやる。この世から消してやる!」


この前は川に沈めたからダメだったんだ。


今度は完全に消滅させてやる。


そうすれば、もう戻ってこれないハズだ。


「行くよ」


アケミはそう言い、ライターの火をドールに近づけたのだった。
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