定期購読ドール
☆☆☆

「昨日はごめんね。ちょっとイライラしてて」


翌日の学校。


アケミは自ら和明にそう声をかけた。


和明は少し戸惑った表情を浮かべていたが「いや、俺の方こそ疑ってごめん」と、頭をかいた。


悩みの種が消えたアケミは清々しい気分だった。


今なら和明との関係もやり直せそうだし、すべてが順調に見えた。


「今度映画でも見に行こうよ。今日のお詫びに奢ってあげるからさ」


「それは悪いよ。俺もちゃんと払うから」


「それじゃ意味ないじゃん」


そう言って笑うアケミ。


つられて和明も笑顔になった。
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