定期購読ドール
☆☆☆

それから数日間、二人は何事もなく過ごしていた。


「あれからなにも起こらないね」


平和な日曜日の昼下がり、アケミの部屋で千夏が言った。


今日は定期購読の日だったけれど荷物は届いていない。


「そうだね。昨日は和明とデートしてきたよ」

そう言ってアケミは新しいスマホカバーを千夏に見せた。



それは男女でペアになっている商品で、くっつけておけば真ん中がハート柄になるタイプのものだ。


「和明といい感じなんだ?」


「もちろん!」
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