定期購読ドール
ドールの恐怖から解放されたアケミは今日も元気だ。


「そう言えば、昨日涙が登校してきてたね」


アケミは嬉しそうにスマホカバーを見つめながら、そう言った。


「え? そうなの?」


「うん。午後の1時間だけ来てたみたい。さっそくカナたちにいじられてたけどね」


「へぇ……」


涙はもう学校へ来ないと思っていたから、意外だった。


「帰りがけ、偶然廊下ですれ違ったんだけどさ、なんか睨まれた」


そう言ってアケミは視線と千夏へと向けた。


「まぁ、あたしたちのことを怨んでるからね」


「ムカつくよねぇ。涙の癖に」


そう言って口角を上げて笑うアケミ。
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